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化審法の優先評価物質から特定化学物質への指定の動き

SDGs-2
化審法においては、その製造・輸入量(使用・流通量)とヒト健康や環境への有害性の観点から以下の判定が行われる。

・第一種特定化学物質(31物質)
・監視化学物質(37物質)
・第二種特定化学物質(23物質)
・優先評価化学物質(201物質)
・特定一般化学物質(?物質)
・一般化学物質(およそ28,000物質、毎年数百物質が増加)

 上記の判定結果のうち、第一種および第二種特定化学物質は実質上の製造・輸入禁止となる。優先評価化学物質は、リスク評価を優先的に実施する対象物質であり、いわゆる審査継続中の物質である。リスク評価の結果、現状で大きな懸念が無ければ優先評価化学物質の指定が外され、一般化学物質へ“格下げ”となる。逆に現状のままではヒトや環境に何らかの悪影響を与える可能性が否定できず、対策・規制をとるべきとの判断がなされた場合、第二種特定化学物質へと“昇格”することとなる。
 化審法における化学物質のリスク評価は、何段階かに分けて審査され、その結果で予選落ち(一般化学物質への指定変更)と次の審査段階である、スクリーニング評価⇒審査Ⅰ⇒審査Ⅱと詳細(慎重)な評価が行われる。これらの評価は順番に実施され、最終的に一般化学物質か特定化学物質かに落ち着くまで(最終判決)繰り返され、特に第二種特定化学物質への指定には3-5年は要すると考えられる。
 上記の審査は法律が定めた制度ではあるが、特定の化学物質を製造・輸入禁止にすることは、その化学物質を用いてビジネスおよび日常生活を送っている企業と国民にとって大きな影響がある。現在審査途中の物質の内、以下の2物質は途中の審査で発がん性(の疑い)と製造・使用の用途と量から比較的高得点を得て、現在の一般化学物質もしくは優性評価化学物質から第二種特定化学物質への指定変更(昇進)の可能性がある。

・二酸化チタン:一般化学物質(CAS 1317-70-0, 1317-80-2, 1344-54-3等)
・1,2-ジクロロエタン:優先評価化学物質(CAS 107-06-2)

 上記の物質は日本国内で非常に大量に使用されており、仮に第二種特定化学物質に指定され、製造・輸入が特定用途(安全に使用できる限られた用途)のみに限定された場合、その影響は企業活動だけではなく一般国民へも及ぶと予想される。
 
 かつて、夢の物質呼ばれ世界中で大量に製造・使用されたが、現在は退場処分となってこの世から消えた(世界中で使用禁止となった)物質は多い。

・PCBs(熱に強く長持ちするコンデンサー用絶縁媒体⇒カネミ油症問題)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E5%A1%A9%E5%8C%96%E3%83%93%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%83%AB

・DDT(長期間効果が継続する農薬・シラミ等の駆除:ノーベル賞受賞⇒北極クマやクジラ等への生物濃縮・内分泌系への悪影響)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/DDT

・フロンガス類(安全・安定な夢の冷却媒体⇒オゾン層破壊、地球温暖化ガス)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E9%A1%9E

・メチル水銀(水銀電池・体温計⇒水俣病)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%81%E3%83%AB%E6%B0%B4%E9%8A%80

・フッ素化炭化水素(テフロン製品⇒広範囲における野生生物や人への蓄積性)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%9B%E3%83%B3%E9%85%B8
 
・アスベスト類(断熱材⇒労働者への数十年後の肺がん)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E5%95%8F%E9%A1%8C
 
 このように、時代により便利・生活を豊かにすると思われた化学物質が、その評価が180度変わる可能性は常にある。人間の知識の蓄積、評価方法の高度化、科学技術の発展に伴い、当たり前として流通・使用していた化学物質が、そのうち法律で禁止(製造・使用・廃棄が違法)される可能性は否定できない。

 上記二つの化学物質の身近な用途では、二酸化チタンは塗料や化粧品(日焼け止め、ファンデーション等)、1,2-ジクロロエタンはドライクリーニング等がある。将来的にこれらの2物質が第二種特定化学物質に指定された場合、関連企業やこれまで使用してきた一般市民への影響も懸念される。安価で同等の性能・機能をもち、より安全な代替品が直ぐに見つかれば良いが、移行には時間と莫大な費用がかかる。

 より安全・安心かつ持続可能な発展のため、世界的に化学物質の管理・規制が見直され、より厳格・高度・複雑になりつつある現在、その評価段階での審査の進捗(裁判の動向)を注意深く情報収集することは、特に企業活動を継続する上で重要である。
 
 RFケミカルサービスでは、上記の課題に限らず、様々な化学物質に関する国際動向、規制状況の調査やコンサルティングを実施します。ご心配な点があれば、まずはお気軽にご相談下さい。
 
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2019年12月30日 07:00
             
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